第2タームで印象に残ったこととカナダでデザインを学ぶ意味とは

第2ターム中にアメリカの大統領選挙があり、トランプが当選した。

 

カナダも隣国というだけあり、アメリカの大統領選挙については連日自国の選挙かのように報道されていた。

 

そして、選挙結果が出た翌日、クラスの雰囲気はお通夜みたいになっていた。デザインの授業では20分ほどのインストラクターによるアメリカ大統領選についてのプレゼンがあった。プレゼン中クラスメートはトランプ大統領の登場にありとあらゆる言葉を使って、反対の意を表明していた。

 

インストラクターは「多様性を認めない不寛容が、憎しみが差別が広まっていく今、デザイナーとしてデザインでどのように応えられるか考えて欲しい」と言って終わった。

 

しばらくして、アメリカで中東の特定の国出身者の入国が突然拒否されるという事態が起きた。Digital Productionのインストラクターはイラン系カナダ人で、イランで生まれ子供の頃にカナダに移住した人だった。インストラクターはニュースの翌日の授業で、文字通り頭を抱えていた。悔しそうで、やるせないといった顔をしていた。

 

Industry research の授業で観たドキュメンタリーの言葉が実感をもって迫ってきた。

 

Don't design for the sake of design, design for people and society

 

日本にいた頃はデザインと聞くと、グラフィックデザインのイメージが強かった。でもカナダに来て、デザインという言葉はもっと大きな射程を持つものとして使われていることを知った。UXやService designもそういった考え方のもとに生まれてきた概念なのだと思うとしっくりきた。

 

インストラクターに「日本のデザインのレベルはとても高いのになんでわざわざカナダに留学を?」と聞かれたことがあったけれど、今タームの諸々の出来事でその意味がはっきりと形をもって現れたような気がした。